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執筆者の写真園部貴弘

Vol.26 競技ゴルファー視点で練習メニューを見直す

ゴルフの練習場に通う理由は人それぞれだろう。気分転換やリフレッシュを目的とする人もいれば、技術向上のために一心不乱にボールを打つ人もいる。


アコーディアの練習場でグループレッスンを受けていたころは、練習にはまじめに来るのに、ラウンドに誘っても一向に行こうとしなかった人もいた。その人は、ラウンドで良いスコアーを出すために練習するのではなく、スポーツクラブ感覚で球を飛ばすことだけに喜びを感じ、練習場に来ていたのだろう。


「園部さん、練習場で何を意識していますか?」


そう小西プロに聞かれたとき、返答に困ったのを今でも覚えている。当時の僕は、「上達するためには量稽古が必要」とただボールを数多く打つだけの練習をしていた。「量稽古ももちろん大事です。でも、それだけでは競技の場で通用しません。試合でスコアを出すための具体的な目的を持つ必要があります」と小西プロは続けた。


確かに、これまでは目標を持たずに練習場で過ごすことが多かった。ティーショットを打つときも「とりあえず真っすぐ飛ばそう」くらいの感覚で、それが実際のラウンドや試合でどのように役立つかを考えることはなかった。 しかし、小西プロとラウンドレッスンを繰り返すうちに「今のショットは、練習でやってた事に繋がっていない」と感じることが増えた。それを機に、練習の内容を一から見直すことにした。


まず最初に取り組んだのは、練習の「目的」を明確にすることだ。

何のためにドライバーを打つのか、なぜアイアンで正確なショットが必要なのか。

たとえば、ティーショット練習では「フェアウェイを外さない確率を上げること」を目標とし、具体的に目標を絞り込んだ。練習場のネットにあるポールやターゲットを使い、それをフェアウェイの幅に見立ててショットを打つ。これを繰り返すことで、目標に対する集中力が養われるようになった。


次に意識したのは、ショットの「精度」だ。 特にアイアンショットでは、方向性をつかむことが課題だった。練習場では5つのグリーンや、距離表示盤など具体的な目標を意識しながら打つようにした。これにより、試合中に「どこを向く」というアライメントの判断が早くなり、プレーやスイングに迷いがなくなった。


一番重視したのが、アプローチ練習だ。

グリーン周りのショットがスコアに与える影響は大きい。トップをしてしまうと、ボギー確定、パターを外したらダボになってしまう。

スコアーを作っていくには、「寄せワン」の成功率が勝敗を分ける。そのため練習場では5ヤード、10ヤード、20ヤード…といった距離を細かく設定し、70ヤードぐらいまで、それぞれのショットでボールをカップに寄せるイメージ練習を取り入れた。

最初は感覚が掴めなかったが、数週間続けるうちにグリーン周りのプレッシャーに対する耐性がついてきた。


これらの練習を積み重ねていく中で、自分自身の意識にも変化が現れた。「練習場でのショットはラウンドの準備」「ラウンドでのショットは試合の準備」という考えが根付くようになり、一球一球を真剣に打つようになった。その結果、以前よりも冷静にコースを攻められるようになったと思う。


小西プロが常々言うように、競技ゴルファーとして上を目指すためには、練習そのものを「ラウンドの一部」と捉えることが必要だということを実感している。この姿勢を貫き、さらに精度を高めた練習を続けていきたいと思う。

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