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執筆者の写真園部貴弘

Vol.28 ルールを武器に変え、スコアを守る

ルールは、守らなければいけない。しかし、ただ守ればいいってものでもない。

正しく理解し、状況に応じて活用することで、ルールそのものがスコアを守る「武器」にも「盾」にもなる。特に、競技に出るようになると、ルールを知っているかどうかが1打、2打の差を生み出し、そのたった1打が、勝者と敗者を分ける。



基本は、日本ゴルフ協会(JGA)が発行している「ゴルフ規則」にしたがって判断すればいいのだが、所属コースの「競技規定」には、いろいろローカルルールが定められている。このローカルルールを知っているだけで、有利にプレーを進めることができる。



たとえば、距離計について。

競技では「距離計の使用は認めるが、高低差機能は使用不可」となっている。しかし、ホームコースの一つである桜ゴルフ倶楽部の競技規定を読んで驚いた。そこには、「高低差を含むすべての機能の使用可能」と明記されていたのだ。江戸崎カントリークラブも、今年より、高低差機能の使用が可能になっている。



このルールを知らない人は、通常通り高低差機能を停止した距離計を使ってプレーしているだろう。しかし、高低差情報が使えると、アップダウンのあるホールでクラブ選択が格段に正確になる。たとえば「実際には140ヤードに見えるけれど、打つべき距離は130ヤード」という情報を得られる。この差がスコアを守るカギとなる。ローカルルールを事前に読み込むだけで、他のプレーヤーよりも有利に立ち回れる。


また、桜ゴルフ倶楽部の「黄黒杭」のルールについて。

ホール間の境界に設置された黄黒杭は、ローカルルールで「ワンペナルティーで元のホールに戻す」という処置を指示している。しかし、競技においては、「ワンペナルティーを適用しない」が多い中、桜ゴルフ倶楽部ではいくつかのホールだけ、「競技中も、ワンペナルティーを適用する」となっている。



3項の記述を見てもらうと、「南3番・4番はワンペナ扱い」が必要と書いてある。5項にも「東2番はワンペナ扱い」と書いてあるが、6項に「4と5項は、クラブ主催の公式競技には適用しない」と書いてる。つまり、南の3番・4番は競技でもワンペナを適用するけど、東の2番は適用しないなのだ。



これを知らずに南3番、4番でワンペナルティーを課さずプレーを続行した場合や、東2番でワンペナ扱いでボールを移動させてしまうと、「誤所からのプレー」になり、2ペナルティーが科されてしまう。


イーグルレイクゴルフクラブにも、競技におけるローカルルールで、JGAのルールとは違った対応をする場面がある。池が多いイーグルだからこその「池に落ちた場合の処置」だ。

池に落ちた場合、レッドペナルティーエリアなので救済方法は3つ中から選択する。「元の位置に戻って打ち直す」「最後にラインを横切った点よりも後ろの救済エリアにドロップする方法」そして「最後にラインを横切った場所から2クラブ以内かつピンに近づかない場所にドロップ」だ。



それがイーグルレイクだと、13番ホールは1打目が池に落ちた場合は通常の救済だが、2打目に池だと、「通常の救済」か「グリーン横のドロップゾーン」が選択できるようになる。また、15番ホールは1打目が池に落ちた場合、「ドロップゾーンにドロップしなければいけない」になる。

これを知らずに誤った処置をすると、競技ルール違反となる。特に競技ではルール違反が試合結果に直結するため、正しい処置を取れるかどうかが勝敗を分けると言ってもいい。



これらの経験を通じて言えるのは、ゴルフにおいてルールは「知っているだけで得をする」ものだということだ。事前に競技規定やローカルルールをしっかりと読み込み、理解することで、無駄なペナルティーを回避できる。さらに、ルールを積極的に活用することで、スコアを守り、試合でのアドバンテージを得ることができる。


ゴルフは技術だけではなく、「知識」もスコアに直結するスポーツだ。

ルールをただの窮屈な規制と考えるのではなく、それを武器に変え、スコアを守る。これが競技ゴルファーにとって大切なことの一つだ。

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