Vol.36 「フェアウェイウッド」の精度を磨く―長いコースに挑む準備
- 園部貴弘
- 4月20日
- 読了時間: 4分
僕のスコアメイクに大きな影響を与えているのが、フェアウェイウッド(以下FW)。ドライバーの飛距離が大きく伸びない僕にとっては、ロングホールや距離のあるパー4を攻略するために欠かせないクラブだ。 僕は、小倉さんの勧めで、ロマロという地クラブメーカーのRayというシリーズのFWとUTを使っている。チタンヘッドなので、球が非常に上がりやすく、打った時の金属音が気持ちい良い。

2020年にUSGAが発表した『平均ドライバー飛距離×28=理想的な総ヤーデージ』という基準は、多くのゴルファーにとって興味深い指標だ。僕の場合、ドライバーの平均飛距離は220ヤード程度なので、計算すると理想的な総ヤーデージは6160ヤードになる。 アコーディアもゴルフを誰でももっと楽しめるようにとのことで、「カジュアルゴルフ」を推奨しているが、その一つに、ドライバーの飛距離でティーを選ぶという運動を推進している。

なんでもかんでも、「距離がある方がいい」ではなく、自分の技量に適した範囲での距離だと、パーも出やすくなり、スコアーも間違いなくまとまってくる。ということだ。
しかし、競技ゴルフで使うコースは、この理想値を大きく上回る。
たとえば、イーグルレイクゴルフクラブの月例競技では、僕はAクラスなので、ブラックティーからのプレーになる。総ヤーデージは6,677ヤードある。桜ゴルフ倶楽部ではBクラスであっても6509ヤードだ。僕の飛距離では「理想的」とは言えない距離だが、これが現実この条件の中で戦って、他の選手を凌駕していかなければいけないし、ハンディキャップを下げるには、この条件で、アンダーをだしていかないといけない。
しかし、この冬、ドライバーの飛距離を大きく伸ばすためのトレーニングをしたが、やはり一朝一夕にはいかない。だから、小西プロからのアドバイスで、FWやUT、ロングアイアンの精度を徹底的に高めることに注力することにした。

まず取り組んだのは、FWを使いこなすための基礎固めだった。
練習場では、3Wと5Wを交互に使い、キャリーや弾道の特性を把握する練習を繰り返した。特に3Wは、キャリーが200ヤード以上出る一方で、打ち方が安定しないとトップやダフリが出やすい。そのため、ボール位置やスイングアークの見直しを行い、スムーズにスイングできるフォームを確立した。
また、練習ではターゲットを設定し、意図的に正確に狙う練習を重点的に行った。単に飛ばすだけでなく、「どのエリアにどのような弾道でボールを置くべきか」を考える癖をつけることで、コースマネジメントの感覚も養われた。
次に取り組んだのは、実戦を想定した練習だ。実際のラウンドでは平らなフェアウェイから打てることなんてほぼない。傾斜地やラフ、つま先上がり、つま先下がり、左足上がり、右足上がりといった多様なライからでもFWが打てるよう、ラウンドレッスンの時には、悪条件のライから意識してFWを使うようにした。後ろが詰まっていないときなどは、より悪い条件のライにボールを置き、暫定球として、もう1回打つこともある。

一番意識したことは、「セカンドショットでグリーンを狙う精度」を高めることだ。3WやUT(21度)、4番アイアンは、僕にとってセカンドショットでの主力クラブとなるので、ターゲットに対して距離感を合わせる練習を繰り返した。たとえば、練習場では170ヤード先のターゲットを狙うとき、クラブの選択やスイングの強弱を試行錯誤し、狙ったエリアにボールを運べる確率を上げることを目標にした。
これらの練習を重ねた結果、競技でのスコアが安定してきた。総ヤーデージが6700ヤードを超える場合でも、90台を叩くことはほとんどなくなった。特にロングホールでは、セカンドショットでFWを使ってグリーン近くまで運ぶことで、アプローチの負担が軽減され、寄せワンやパーセーブの確率が上がった。
FWの精度を高めることで得たのは、スコアの安定感だけではない。新しい武器を手にしたことで、これまで苦手としていた長いコースに対する不安が減り、ラウンド全体を楽しめるようになった。ゴルフは「ドライバーの飛距離」が注目されがちだが、FWやUTといったクラブの精度を磨くことで、距離の壁をある程度は克服できることを実感している。
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