top of page

Vol.38 競技ゴルフと「タイムマネジメント」―速さと遅さの交錯を乗り越える

競技ゴルフでは、プレースピードの違いが思わぬ形でスコアに影響を与える。

プレーが「早い人」と「遅い人」が混在すると、リズムが崩れる場面が少なくない。このお互いの時間のズレが集中力やペースを狂わせ、結果としてスコアに響いてしまう。

僕自身、このプレー「速さ」と「遅さ」の間で悩むことが多々ある。



僕のプレースピードはかなり速い。桜ゴルフ倶楽部の1組目、前が詰まっていない状況で小西プロと2人でたんたんとラウンドした結果、ハーフをわずか58分で終えた。

このスピード感は、余計なことを考えすぎることなく自然なリズムでショットを打てるため、僕にとってストレスが無く気持ちいい。もちろんスコアも安定する。 (もっとも、その時、ゴルフ場が満杯で間に入れず、後半スタートまで2時間半待ちになったので、以後はこんな回り方はしなくなったが)

とある試合の予選。同伴者全員が速いプレーヤーで、試合中の流れが途切れることなく進んだ。結果、自分のリズムを崩さずにプレーに集中でき、予選をトップ通過することができた。


しかし、本選では状況が一変した。

ゆっくりと時間をかけるプレーヤーが同伴者にいたことで、自分のリズムが狂い、スコアを伸ばせない。ショットを打つまでの時間が長いプレーヤーと一緒になると、「え、まだ打たないの?」とか余計なことを考えてしまう。「待つこと」に意識が向き、その間に集中力が途切れることもあれば、逆に焦りが生じることもある。このような「遅さ」に合わせることは、速いプレーヤーにとって非常に難しいと感じている。

そして「遅い」と言っても、さすがにペナルティーになるほどではないので、せかすことはできない。そのため自分のリズムを犠牲にして相手に合わせるしかない。

結果、自分のゴルフが出来ないまま終わってしまった。


一方、「遅いプレーヤー」が「速いプレーヤー」とラウンドする場合、周りにせかされている空気は感じるだろう。それでペースを崩してしまうこともある。 ただ、その場合は自分のルーティンを守ることでペースを崩さずに済むケースが多いのではないか。彼らは周囲のスピードに流されることなく、自分のペースでプレーを続けられると思う。


こうした状況を何度も経験する中で、「他人のペースに惑わされず自分のリズムを守る工夫が重要」だと感じるようになった。しかし、こういうことは、小西プロに聞いてもなかなかいい解決策は出てこない。

遅いペースに引っ張られやすい場面では、「自分のルーティンを徹底的に守る」ことを心がけてはいるが、正直、まだまだ出来ているとは言い難い。知識では「同伴者が時間をかけても、自分が打つときには自分のテンポでプレーすることでリズムを取り戻すことができる」ということは知っているが、そんな簡単なものではない。

なるべく待ち時間を次のショットのイメージ作りや状況などの確認に使って「無駄な時間」ではなく「準備の時間」として活用しようとしているが。


競技ゴルフの「タイムマネジメント」は、周囲のペースを受け入れつつ、自分のペースを維持する柔軟性が求められる。焦らずに環境を受け入れ、「こういう状況を楽しむ」ぐらいの気持ちを持つほうが、意外とスコアに良い影響を与える。試合での予選と決勝での対照的な経験を通じて、僕は同伴者との時間の使い方の差が競技ゴルフに与える影響を強く実感した。


ゴルフは、個人プレーと言われるが、実際は、自分の時間だけで戦えるスポーツではない。必ず同伴者がいるし、同伴者の時間に引っ張られながらも、いかにして惑わされず、自分の時間を守っていけるかが大事になる。

タイムマネジメントは、競技ゴルフを攻略する上での隠れた鍵であり、その磨き方によって、プレーヤーとしての成長につながると思う。競技で結果を出すため、これからも自分の時間、他人の時間に対して試行錯誤を続けて行きたい。

コメント


bottom of page