Vol.35 ロングパットを武器にする―道具と感覚を磨く
- 園部貴弘
- 4月13日
- 読了時間: 4分
パットはゴルフのスコアメイクにおいて重要な要素の一つだ。
特に10メートル以上のロングパットの3パットを防ぎ、2パット以内に収める技術が、試合での勝利を掴むために必須になってくる。しかし、ただ練習を重ねるだけでは、ロングパットを武器にすることはできない。僕が取り組んだのは、道具と感覚の両方を徹底的に磨くことだった。
まずは道具から。僕の道具はすべてクラブフィッターの小倉勇人さんに見てもらっている。
小倉さんは今まで150本以上のパターを自分で購入し、試し、新たに製作までして、パターの特性やストロークスタイルとの相性を研究しているパターオタクなのだ。

僕の今のメインパターは、スコティキャメロンのニューポート2.5の2018年モデル。


ショートスラントネックのブレード型で、トゥーヒールバランスが絶妙に取れている。なんとなくこのモデルを買ったのだが、小倉さんに実際に見てもらうと、僕の感覚、好き嫌い、効き目、そしてストロークタイプに最適だった。 また、別の選択肢として教えてもらったのがオデッセイのTRI-HOT 5K THREE。こちらもすぐに手に入れサブパターとして活躍しているが、今平周吾、石川遼が使っていたという実績があるものの、市場ではまったく人気が無く、あっという間にカタログ落ちしてしまったパター。しかし、僕にとっては、名器の一つで、周りにこのパターを使っている人は4人もいるのだ。

小倉さんのアドバイスで特に印象的だったのは、「パターはただの道具ではなく、自分の感覚と一体化するもの」という考え方だ。ストロークタイプがトゥーヒールバランスに適している僕には、フェースの動きが安定するモデルが重要だと教わった。道具の特性を理解し、それに合わせたストロークを意識することで、ボールの転がりや距離感が安定するようになった。
次に取り組んだのは、練習方法の工夫だ。練習グリーンではただ漫然とパットを打つのではなく、小西プロのアドバイスに従い「距離感」を磨くことに集中した。特にロングパットでは、グリーン上の傾斜やスピードを正確に読む必要がある。そのため、練習グリーンでさまざまな距離や傾斜を試しながら、1球ずつターゲットを設定して打つようにした。

また、試合前やラウンド後の練習グリーンでは、実際のコースと同じコンディションを再現することを意識した。桜ゴルフ倶楽部では、練習グリーンが広く整備されているので、長い距離のパットを試すには最適だし、イーグルレイクのグリーンは同程度のゴルフ場の中では、群を抜いて早くセッティングされているので、早いグリーンでのパット練習も出来る。
こうした練習の成果が試合で実感できるようになったのは、月例杯や外部の試合だ。
ある日の月例杯では、ドライバーでミスショットをしたが、何とか3オンをさせた。しかし、15メートルほどのパットが残って、あわや3パットでダボか?というのを1打で決めてパーをセーブした場面があった。その1打で順位が変わったことは言うまでもない。
以前なら3パットしていた状況で確実に2パット以内でまとめられるようになり、ロングパットの練習が武器として機能しはじめていると実感した。

さらに、パット練習を重ねることで、ラインの読み方にも変化が出てきた。以前は直感だけで打っていたが、いまではグリーンの傾斜や芝目を細かく観察し、最適なラインをイメージする習慣がついた。これにより、難しいラインでも自信を持ってストロークできるようになった。入るかどうかは別として・・・
ロングパットを武器にするには、自分のストロークをしっかり理解し、自分にあった道具を手に入れ、その道具の特性を知り、自分の感覚と一体化していくことが大事だ。そして、練習ではただ数をこなすだけでなく、実戦を意識した工夫を重ねる必要がある。小倉さんの道具の見立て、小西プロの練習ドリルに基づき、自分のプレースタイルに合った道具を使いこなすことができたからこそ、練習の成果がスコアに直結するようになった。 もともと、1ラウンド40パット近くしていた僕が、最近は、30パット前半、時には20台のパット数になってきているのがいい証拠だ。
これからもロングパットの精度をさらに高め、自分のゴルフを進化させていきたい。道具と感覚が一体となったとき、ロングパットは苦手な一打ではなく、「スコアを守り、流れを変える」最大の武器になると信じて。
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