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Vol.21 一つの道具と長く付き合う

ゴルフは道具を使うスポーツ。自分の「技術」と「道具」との相性が、スコアに大きく影響する。しかし、「自分に合ったクラブ」を手にするのは本当に難しい。


小西勇輝プロがゴルフクラブをマスダゴルフで、まるまる1セット新調した。ドライバーから58度のウェッジまですべてマスダゴルフ製。


銀色のクラブが、僕の「ファストマッスルアイアン」。市販品のものだ。



そして黒いのが、小西プロの「ファストマッスルアイアン」。



基本は同じ「金型」から作られているが、小西プロのものは代表の増田雄二氏が一本一本削り、高価なメッキを施し、「こにっくす」と自分の名前を入れたもの。

機会があったらぜひ2つを比べて欲しい。小西プロのものの方が、間違いなく、作り手の「想い」や「魂」を強く感じる。



しかし、いっぱつで「完璧」なものが出来ることはそうそうない。

自分の身体やスイング、好みを徹底的に反映させて、プロ中のプロが製作に当たったとしてもだ。

オーダースーツにしてもそう。3着、同じところで作らないと、本当に体にあったモノにはならないと言われてる。


実際、小西プロも練習場で打ってるときは、「めっちゃ良い」「ドライバーからウエッジまで自分の気持ちにピッタリ」「これで、試合に勝てる!」と絶賛していたが、何ラウンドかしてみると、以前のクラブとは「違う動き」に戸惑うところが出てきた。


今回のクラブが「いい」「悪い」、「合う」「合わない」ではない。

「動きが違う」のだ。


そのため、ラウンドの状況や環境によって、いままでのクラブだったらこう言う球が出たのに、同じように振ってもちょっと違う球になってしまう。



例えば、200ヤード先のピンを狙って打ったのが、今までのクラブと挙動が違って0.1度違う角度に球が出たとしたら、、、、200ヤード先では30センチの誤差になる。

前のクラブがピンから1メートルの距離に着いたとしたら、今度のクラブでは、0.7メートルか、1.3メートルに着くと言う事だ。その誤差が、スコアに影響しないわけはない。


トッププロのパット決定率は、70センチで95%、1メートルで90%、1.3メートルで85%だと言われる。

アマチュアだと、70センチで90%、1メートルで80%、1.3メートルで70%だと言われる。


(野呂涼プロ、写真:相原正明氏)


もう一度言う。「いい」「悪い」、「合う」「合わない」ではない。

「動きが違う」のだ。

設計思想もカタチも材質も重さも芯の位置も重心距離も違う。だから同じように振ったら違う球が出て当たり前だ。


前のクラブの挙動に、新しいクラブを合わせるのか、新しいクラブの挙動に自分の感覚を合わせていくのか。。。

ここから微調整を繰り返し、ほんとに自分に合った武器となる道具に仕上げていく。


クラブって、それだけ緻密に合わせていかないといけないモノなのに、ほとんどのアマチュアは無頓着すぎる。


ショップに吊ってあるモノやネットでみた中古品を、自分の力量やスイングに合ってるかどうかや、他のクラブとの流れなんて全く気にせず、「最新だから」や「マークダウンして安くなってるから」「○○プロが使ってるから」と買って来て使いだす。そのために、スコアやスイングを崩してしまうことも多々ある。「その一本」を入れてしまったために、全体がおかしくなってしまうこともある。


フィッティングして「自分に合うモノを作る」そして、「本当に合うように、調整を繰り返す」。これ、ほんとに大事。


僕は2021年12月末に、ゴルフフィールズの小倉さんに作ってもらった、マスダゴルフ「ファストマッスルアイアン」を中心としたセットから、基本は何も変えてない。



自分で判断して何かを変えることは一切しない。違和感があったら、小西プロと小倉さんの3人でディスカッションして3人が納得の上で微調整をしてもらう。もちろんナマリ1枚貼るのも、全て小倉さんの手でやってもらっている。


それで、ゴルフを始めて4年で70台を出したし、Aクラスに昇格した。そして、現在、ハンデキャップ11になっている。


何百、何千と選択肢がある今の時代、ころころクラブを変えていては、なかなか「自分に合った14本」に出会うのは難しい。



「合うように作って」「調整を重ね」「一つのセットと長く付き合っていく」という考えも、スコアを作っていく為の答えの一つではないだろうか。

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