top of page

Vol.31 アプローチの精度を高める練習法

執筆者の写真: 園部貴弘園部貴弘

アプローチの精度を高めるために最初に手を付けたのは、とにかく数をこなすことだった。いわゆる「量稽古」だ。ただし、ただ打てばいいわけではない。「正しいやり方」で数をこなさなければ意味がない。そこが難しい。僕の場合、小西プロのレッスンを受けており、間違った動きになっているときはちゃんと修正してくれる。だから安心して「量」を積むことができた。



しかし、多くのアマチュアゴルファーは、我流で練習を始めるので間違った動きをしていることが多い。参考書はYouTubeと雑誌の連続写真。これが落とし穴だ。 プロの動きが必ずしも入門時期に適しているとは限らない。外から見る動きが、必ずしも正しい動きとは限らない。連続写真の途中の形は、動きの途中で「そうなってしまう」のに、それが形だとおもって、その形を作りに行ってしまう・・・さらに動きや形の解釈を、まったくの初心者でしかない「自分」の基準だ。正しい答えに行き着くほうが難しい。


このように間違ったやり方で数を重ねてしまうと、それが癖になり、いざ直そうとしても身体に染み付いた感覚が抜けない。僕がゴルフを始めたのは47歳の頃、だから「今、間違った形を身につけたら、もう直せる時間的余裕はない」と思って、クラブを握った初日から、スクールに入り基礎をしっかり教えて貰ったのが、いま思えば「正しい選択」だったと思う。


練習場では、1日200球、300球と徹底的にアプローチの練習をする日々を送った。1時間では練習時間が足りず、30分の追加をすることも多かった。



距離ごとにフラッグやヤード表示を目標にし、30ヤード未満なら1グリップ以内、50ヤードなら1クラブ以内に収めることを目標にした。練習を重ねるうちに、徐々に「この距離ならこう打てばいい」という感覚が掴めるようになった。

ただ、この練習を続けているうちに気づいたのは、「練習場のマットとコースは別物だ」ということ。

練習場では平らなマットの上で安定した条件で打てるが、コースでは芝の状態や傾斜が全く異なる。マットの上での上達は重要だが、最終的には芝生の上で同じ精度を出せるかどうかが勝負を分ける。



そこで次に取り組んだのが、イーグルレイクゴルフクラブのアプローチ練習場だ。ここは、4,000㎡の敷地に本グリーンと同じ整備された大きなグリーンが2面 、バンカー練習場が2カ所ある素晴らしいアプローチ練習場で、最長40ヤードの距離から練習できる。

ラウンドが終わった後、この練習場で2時間、時には3時間近く粘って練習を続けたこともあった。あるときは、スタッフに「閉めますので、そろそろ帰ってください」と言われるまで夢中でボールを打ち続けていた。



この「量稽古」を積み重ねた結果、アプローチの精度は確実に向上した。ただ、それでもラウンドでは違う緊張感がある。ライや状況に応じて瞬時に判断し、打ち方を選ぶ必要があるためだ。そうした本番特有の難しさに対応するには、練習で身につけた技術を自分の中でどれだけ「武器」として整理できるかが重要だと感じている。


アプローチの練習は、ただ技術を磨くだけでなく、自分のゴルフに向き合い、試行錯誤を楽しむ時間でもある。練習場とコース、それぞれで得られる経験があってこそ、少しずつ「寄せワン」が増え、競技ゴルフのスコアが改善されていく。

0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page